茨城県は47の都道府県の一つであり、それぞれに独自の文化や歴史が息づいています。
その中でも、土地ごとの個性が色濃く表れるのが「方言」です。
方言には、その地域ならではの温かみやユーモア、時には言葉だけでは伝わらない微妙なニュアンスが詰まっています。
本記事では、茨城県の特徴的な方言や例文などを紹介していきます。
あなたの地元の言葉はもちろん、知らない土地の方言にも、思わず「おもしろい!」と感じる発見があるかもしれません。
それでは、方言の世界へ一緒に旅してみましょう!
茨城県の方言 一覧表(ア行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| あえぁー | あいだ。すき間。 | えんぴづ、つくえのあえぁーがら、おっこっちったんだ | 鉛筆が机の間から落ちてしまったんだ |
| あえぶ | 歩く。歩いて行く。 | そんなごどしてねで、はやぐあえばっしょ | そんなことしてないで、早く歩きなさい |
| あおなじみ | 青あざ。 | あし、つぐえさぶっつげで、あおなじみできちゃった | 足を机にぶつけて青あざができてしまった |
| あっぱとっぱ | あわてふためく様子。 | きゅーにきゃぐきたもんだがら、あっぱとっぱしちゃったよ | 急にお客が来たのであわててしまったよ |
| あます | 吐く。 | 気持ぢ悪ぐなったらー、あましてもかまねど | 気持ち悪くなったら、吐いてもかまわないよ |
| あまだ | たくさん。 | きょーでぁー、あまだあずばってるわ | 兄弟がたくさん集まっているよ |
| あらえまで | 食事の後、食器などを洗い片づけること。 | あらえまでやんなくちゃなんねんだよ | 食事の後片付けをしなければならないんだよ |
| えぎっぽあガる | 元気がでる。 | ぐえぁーわるがったけど、梅酒のんだらえぎっぽあガってきた | 体の調子が悪かったけれど梅酒を飲んだら元気が出た |
| えし | おまえ。 | えしゃー、どごさえってだんだ | おまえは、どこへ行っていたのだ |
| えしこえ | よくない。悪い。 | すグこわれちって、えしこえおもちゃだな、これ | すぐに壊れてしまって出来の悪いおもちゃだなこれは |
| えじやげる | 怒りがこみあげる。腹が立つ。 | あえづのごどかんガえっと、えじやげでしゃーねー | あいつのことを考えると腹が立ってしょうがない |
| おぎむぐれ | 起きたばかり。 | おぎむぐれのかおなんか、みらったもんじゃねーよ | 起きたばかりの顔は見られたものではないよ |
| おげはぐ | ご機嫌とり。 | あのしとは、おげはぐばがり、ゆってるわ | あの人はご機嫌取りばかりいっているよ |
| おしゃらぐ | おしゃれ。 | おしゃらぐばっかりして、なんにもやんねよ | おしゃればかりしていて、何もやらないんだよ |
| おじる | 降りる。 | 雨でかえだんすべっから、きーつけでおじろ | 雨で階段が滑るから気をつけて降りろ |
| おどめ | 赤ちゃん | ○○さんどごの△△ちゃん、おどめなしたんだど | ○○さんの所の△△ちゃん、赤ちゃんを産んだそうだよ |
茨城県の方言 一覧表(カ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| かちける | かじかむ。 | てぶぐろしてねーど、てガかちけてしょーねーよ | 手袋してないと、手がかじかんでしょうがないよ |
| かっちゃぐ | 引っかく。 | ねごめに、てーかっちゃがれだ | 猫に手を引っかかれた |
| かっぽる | 捨てる。 | そんてなえしけーの、かっぽっちめー | そのようなよくないものは捨ててしまえ |
| かむ | 匂いを嗅ぐ。 | くさってっかどーが、かんでみろ | 腐っているかどうか、においを嗅いでみなさい |
| かんまーす | 搔き回す。 | よぐかんまーさねげ、かだまっちゃーど | よく搔き回さなければ固まってしまうぞ |
| がさばる | 威張る。 | ふたんじ、くんで、がさばってんだわ | 二人で組んで威張っているんだ |
| がだげ | お椀一杯分。食事一回分。 | そんだげあれば、ひとがだげぶんぐれーあっぺ | それだけあれば食事一回分ぐらいあるだろう |
| がーだぐ | がらくた。 | がーだぐあずべで、もしちぇー | がらくたを集めて、燃してしまおう |
| きーだ | 困る様子。後悔する様子。 | えや、きーだよ、やんねばよがったよ | いや困ったよ、やらなければよかったよ |
| くっちゃべる | しゃべり放題にしゃべる。 | あづばってなんだかんだかくっちゃべってっとー、せーせどするわ | 集まってあれこれとしゃべっていると気持ちがはれるよ |
| 〜グし | 〜ごと。 | このさがな、ほねグしたべられるわ | この魚は骨ごと食べられるよ |
| けぁーっちょ | 逆。裏返し。 | ふぐ、けぁーっちょにきてるわ | 服を裏反しに着ているよ |
| けげず | とんぼ。 | けげずめとりにえグべ | とんぼ取りに行こう |
| こわえ | 疲れるさま。 | こわえがら、そごらでやすんぺよ | 疲れたからそのあたりで休もうよ |
| ごじゃっぺ | でたらめ。いい加減。 | あえづはごじゃっぺで、あれじゃ信用なぐすのもしかだね | あいつはでたらめで信用をなくすのもしかたがない |
茨城県の方言 一覧表(サ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| 〜さげ | 〜さえ。 | つるでさげ、おんガえしするっちゅーのによ |
鶴でさえ恩返しをするというのになあ(何であいつはしないのだ)
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| さっつぇーなし | おっちょこちょい。考えなし。 | あえづはさっつぇーなしだがら、うっかりしゃべらんねーぞ | あいつはおっちょこちょいだからうっかり話せない |
| さぶろー | スコップ。 | さぶろー、どごさえったがしんねが | スコップ、どこにあるか知らないか |
| しみじみ | しっかり。ちゃんと。 | さぼってねーで、しみじみやれ | さぼっていないでしっかりやりなさい |
| しもゲる | 寒さで野菜などがいたむ。 | さづまはとぐに、しもゲんのガはやえんだ | さつまいもは特に寒さでいたむのが早いんだ |
| しゃでー | 弟。 | しゃでーのほーは、えま、なにやってんの | 弟さんのほうは今なにをやっているの |
| じゃんぼ | 葬式。 | あそごのうぢじゃー、じゃんぼできた | あそこの家で葬式ができた ※ 「じゃーぼ」とも。 |
| 〜すける | 助ける。一緒に行う。 | えーべよ、えっしょにえってすけろよ | いいだろう、一緒に行ってくれよ ※ 「〜つける」とも。 |
| すてぎもねー | この上ない。すばらしい。 | すてぎもなぐえーふぐきてんねー | すばらしくいい服を着ているね |
| すみ | 電池。 | うゴがねな、すみきれだがな | 動かないなあ、電池がなくなったかな |
| ずのぼせ | 自慢していい気になる。 | しってっからって、ずのぼせやガんじゃねー | 知っているからといって、自慢していい気になるなよ |
| せづなえ(1) | 貧しい。 | とーちゃんはやぐにしんでー、せづねーくらししてんだど | 父さんが早く亡くなって貧しい暮らしをしているそうだ |
| せづなえ(2) | 悲しい。 | 息子らでぎガわるくてせづなえ | 息子たちの出来が悪くて悲しい |
| そじる | 口の中がただれる。 | あづくって、べろそじっちゃった | 熱くて、舌がただれてしまった |
| そべーる | 甘える。 | このこども、そべーでばがりで、しょーねな | この子どもは甘えてばかりでしょうがないよ |
茨城県の方言 一覧表(タ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| だす | やる。与える。 | これ、だすがらもってゲ | これをやるから持っていきなさい |
| ちぐ | 噓。 | あっちこっちでー、ちくぬえでんだど | あちらこちらで噓をつきまわっているのだそうだ |
| ちょーろぐ | まともであること。 | 年で新聞もちょーろぐにめーねーよ | 年を取って新聞もまともに見えないよ |
| つっぺーる | 水にはまる。 | あそごの水溜まりさー、つっぺーっちゃった | あそこの水溜まりにはまってしまった |
| てーら | 〜の人たち。 | これがらは、わげーてーらにまがせっぺ | これからは若い人たちにまかせよう |
| でご | 太っている様子。 | なんてでごだっぺ、あのしと | なんて太っているのだろう、あの人は |
| でごじゃれる | 形が崩れる。失敗する。 | おむれづ、でごじゃれちゃった |
オムレツ、(きれいに作ろうとしたが)形が崩れてしまった
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| でゴひゴ(1) | 不揃いな様子。 | つぐえでゴひゴだがら、そごなおせ | 机がそろっていないから、そこを直しなさい |
| でゴひゴ(2) | 迷う様子。 | えグべが、えガめが、でゴひゴしちゃったよ | 行こうか行くまいか、迷ってしまったよ |
| ですっぱギ | でしゃばり。 | あのしとは、ちんちぇーとぎがらですっぱギで、なおんねよ | あの人は小さいときからでしゃばりで直らないよ |
| でほーらぐ | でまかせ。でたらめ。 | まだ、でほーらぐばがりゆってるわ | また、でたらめばかりしゃべってるよ |
茨城県の方言 一覧表(ナ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| なす | 生む。 | とりめガーたまゴなしたわ | ニワトリが卵を生んだよ |
| なすける | 責任をなすりつける。 | 人さ、なすけんじゃねーよ | 人に責任をなすりつけるんじゃないよ |
| のざぐ | 喉に食べ物がつかえる。 | えそえでたべで、のざぐな | 急いで食べて喉につかえてむせるな |
茨城県の方言 一覧表(ハ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| はギる | 毛先・枝先などを切る。 | あだまみちかぐはギってこー | 髪の毛を短く刈ってこい |
| 〜はだる | 〜始める。 | さめねうぢ、たべはだったらがっぺ |
冷めないうちに、食べ始めたらいいでしょう ※ 「〜はだづ」とも
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| はー(1) | もう。 | なに、はーおわったんか | なに、もう終わったのか |
| はー(2) | 感心・驚きの声。 | えや、はー、たえしたもんだね | まあほんとに立派なものだね |
| ばーさらげる | 髪の毛などが乱れる。 | ばーさらげだあだましてあるってるわ | 乱れた髪の毛をして歩いているよ |
| ぱすぱす | やっと。ぎりぎり。 | おぐれっかどおもったけど、ぱすぱすまにあった | 遅れるかと思ったけれど、ぎりぎり間に合った |
| ひでーなし | くだらないこと。 | ひでーなしばがりゆってんじゃねーよ | くだらないことばかり喋ってるんじゃないよ |
| ひとまめ | 人見知り。 | あのこども、ひとまめしてべそかえでるわ | あの子どもは人見知りをして泣いているよ |
| ふだに | たくさん。 | ほーれんそー、ふだにあっから、たべでくんちょ | ほうれん草がたくさんあるから食べてください |
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ふったげる
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火を焚きつける。風呂を沸かす。
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ひー、ふったげろ | 火を焚きつけろ |
| ふろ、ふったげどげ | 風呂を沸かしておけ | ||
| ぶっちめる | 指をはさむ。 | とぼーさゆびぶっちめで、えでくてしゃーね | 戸に指をはさんで痛くてしょうがない |
| ぶでねー | 気の利かない様子。 | こんどはえってきたやづは、ぶでねーな | 今度入社してきたやつは、気が利かないな |
| へずまんねー | 本当につまらない。 | へずまんねーのみでねで、ねっちめぁー | つまらない<テレビ番組を>見ていないで、寝なさい |
| ほゲほゲ | 腹いっぱい。 | ほゲほゲたべらっしょ | 腹いっぱい食べてください |
| ほーろぐ | 払い落とす。 | そどでほごりほーろえでがらながさはえれ | 外で埃を払い落としてから家の中に入れ |
茨城県の方言 一覧表(マ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| ましょー | まともである様子。 | あのしとはましょーなごどゆーね、感心したわ | あの人はまともなことを言うね、感心したよ |
| まで | 仕事が丁寧な様子。 | あのしとのしゴどは、までだね | あの人の仕事は丁寧だね |
| まるぐ | 束ねる。 | えなわら、まるったらよがっぺー | 稲わらを束ねたらいいだろう |
| みグせー | 見苦しい。 | みグせーふぐきて、あるいでるわ | 見苦しい服を着て歩いているよ |
| むそえ | 持ちがよい。 | まづぼんぼガまざってっとー、むそくてえーんだ | 松の落葉に松笠が交じっていると火の持ちがいいんだ |
| めめぐる | 芽を出す。 | まーた、めめぐんねな、ほっくりかえしてみでみっか | まだ、芽を出さないね、掘り出して見てみようか |
| める | 減る。 | 米、もっとあっとおもってだら、めっちゃったよ | 米がもっとあると思っていたら減ってしまったよ |
| めんどかんど | 目が回るほど忙しい様子。 | 今日は、めんどかんどしちゃったよ | 今日は忙しくて目が回るほどだったよ |
茨城県の方言 一覧表(ヤ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| よっこより | 寄り道。 | よっこよりして、やまんながさへぁーって弁当たべだ | 寄り道して山の中に入って弁当を食べた |


