静岡県は47の都道府県の一つであり、それぞれに独自の文化や歴史が息づいています。
その中でも、土地ごとの個性が色濃く表れるのが「方言」です。
方言には、その地域ならではの温かみやユーモア、時には言葉だけでは伝わらない微妙なニュアンスが詰まっています。
本記事では、静岡県の特徴的な方言や例文などを紹介していきます。
あなたの地元の言葉はもちろん、知らない土地の方言にも、思わず「おもしろい!」と感じる発見があるかもしれません。
それでは、方言の世界へ一緒に旅してみましょう!
静岡県の方言 一覧表(ア行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| あいまち | 怪我。 | えらいあいまちょーしてお医者さんへいったっきねー | 大怪我をしてお医者さんへ行ったっけねえ |
| あてこともない | とんでもない。途方もない。 | そんなあてこともねーことばっかゆーな | そんなとんでもないことばかり言うな |
| あんもー | 餅。 | 正月にゃーあんもー焼いて食ったっけなー | 正月には餅を焼いて食べたっけなあ |
| いかい | 大きい。 | あすこでいかい声ではなしょーしてる |
あそこで大きな声で話をしている ※ 「いいっかい」とも。
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| いきる・いきれる | 蒸し暑い。 | 今日は朝からいきりっぽいのー | 今日は朝から蒸し暑いなあ |
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いと
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うち。間。
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そのいとにくるらよ | そのうちに来るだろうよ |
| やすむいともねー | 休む暇もない | ||
| うっちゃる | 捨てる。放り投げる。 | いらんもんはうっちゃるといー | 要らないものは捨てるといい |
| うら・うらっぽー | 先端。 | 枝のうらっぽーにちょっちょが止まってる | 枝の先端に蝶が止まっている |
| えらい(1) | 大変な。 | いちんちで終えるのはえらいっけ | 一日で終わらせるには大変だった |
| えらい(2) | たくさん。 | えらい人だなー | たくさんの人だなあ |
| えらい(3) | つらい。苦しい。 | かぜひーてーえらくてしょんねー | 風邪をひいて体がつらくて仕方ない |
| えーかん | かなり。だいぶ。 | えーかんありーてくたびれたよ | かなり歩いて疲れたよ |
| おえる・おやす(1) | 終わ(らせ)る。 | 早くおやいてあすびーいかざー | 早く終わらせて遊びに行こうよ |
| おえる・おやす(2) | 壊す。だめになる。 | 踏んづけたらおえちゃうぞ | 踏みつけたら壊れちゃうぞ |
| おそんガい | 恐ろしい。怖い。 | 夜道はおそんガいだでとんで来ただよ | 夜道は怖いので走って来たんだよ |
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おぞい
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粗悪な。
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こりゃーおぞいお茶だ | これは良くないお茶だ |
| 顔はえーガきガらガおぞい | 顔はいいが性格が悪い | ||
| おだっくい | お調子者。おだてに乗る人。 | あのひたーおだっくいので困ったもんだ | あの人はお調子者で困ったものだ |
| おちゃらかす | 冷やかす。嘲笑する。 | ひとーおちゃらかすもんじゃねーよ | 人を嘲笑するものではないよ |
| おとましー(1) | 見苦しい。 | おとましーなりーしてる | 見苦しい身なりをしている |
| おとましー(2) | つらい。 | えれーおとましーしゴとだっけやー | 大変苦しい仕事だったよう |
| おとましー(3) | 気の毒な。 | そりゃーふんとにおとましーこんだ | それは本当に気の毒なことだ |
| おーぼったい | はれぼったい。 | 寝不足でかおんおーぼったいやー | 寝不足で顔がはれぼったいよう |
静岡県の方言 一覧表(カ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| かこくさい | 焦げ臭い。 | なんかいぶっててかこくせーぞ | 何かくすぶっていて焦げ臭いぞ |
| かたす | 仲間に入れる。まぜる。 | おらっちもかたしてくりょーやー | 俺たちも仲間に入れてくれやあ ※ 「かてる」とも。 |
| かんじかなる | かじかむ。 | さぶくて手ガかんじかなっちゃったやー | 寒くて手がかじかんじゃったよ |
| かんだるい | 疲れている。だるい。 | 働きすギてからだんかんだりー | 働きすぎて体が疲れている |
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がとー・がとーもない
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大変。たくさん。
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がとーにあるでたんとくいな | 沢山あるからたくさん食べな |
| がとーもねー時間かかるに | 大変な時間がかかるよ | ||
| がらい | ついうっかり。つい誤って。 | がらいあしょーふんずばいた | ついうっかり足を踏みつぶした |
| くすガる | 刺さる。 | 足にとゲんくすガっていたくてしょんない | 足にとげが刺さって痛くて仕方がない |
| くむ | 崩れる。 | 裏山のガけガ大雨でくんで困ったっけよー | 裏山の崖が大雨で崩れて困ったっけなあ |
| くろ | 端。隅。角。 | そこのごみょー畑のくろによせとけ | そこのごみを畑の隅に寄せておけ |
| ぐれる | 捻挫する。 | いしょーけっとばかいて足がぐれちゃった | 石を蹴っ飛ばして足を捻挫した |
| けける | 載せる。 | 棚のうえーけけときゃーえー | 棚の上に載せておけばいい |
| けっこい | きれい。 | おまっちねーさんけっこいやー | お前の家の姉さんはきれいだなあ |
| けなるい | うらやましい。 | あんたっちゃー夏涼しいでけなるいやー | あんたの家は夏は涼しいのでうらやましい |
| こずむ・こぞむ | 沈殿する。 | 搔きまーさんと砂糖ガ下のほうにこずんでるっしょ | 搔き回さないと砂糖が下の方に沈殿しているでしょう |
| こそくる | 繕う。 | かギざきをこそくっといたよ | かぎ裂きを繕っておいたよ |
| こつい | 小さい。 | なりはこついけーが力がある | 体は小さいが力がある |
| こんきー | 疲れた。苦しい。 | ちゃっととんできたでこんきーら | 急いで走ってきたから息が苦しいでしょう |
| ごせっぽい | せいせいする。 | 今日はまゴんいなくてごせっぽいね | 今日は孫がいなくてせいせいするね |
| ごーガわく | 腹が立つ。しゃくにさわる。 | あんなことゆわれてごーガわいてしょんねーなー | あんなことを言われて腹が立ってしょうがないなあ |
静岡県の方言 一覧表(サ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
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さばく
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破る。裂く。
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障子をさばくなよ | 障子を破くなよ |
| くギに引っかけてさばいちゃった | 釘にひっかけて裂いてしまった | ||
| 〜さら | 〜ごと。〜まで。 | みかんをかわさら食う | ミカンを皮ごと食べる ※ 東部では「〜まし」とも。 |
| さーたりまーる | うろつきまわる。 | 夜中この辺をわけーしガさーたりまーって困るに | 夜中この辺を若者たちがうろつきまわって困るよ |
| しなべる | 片づける。 | ものおきーしなべるのーてんだってくりょー | 物置を片づけるのを手伝ってくれ |
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しょずむ
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つまむ。
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ごっそうしょずみ食いしるでねーぞ | ご馳走をつまみ食いをするんではないぞ |
| 鼻をしょずむ | 鼻をつまむ | ||
| しょろしょろ | ぐずぐず。のろのろ。 | なにしょろしょろしてんだ | なにをぐずぐずしているのだ |
| しょんない | 仕方がない。しょうがない。 | くるまんとばかいてしょんないに |
車をとばしてしょうがないよ ※ 「しかたがない」の短縮形。
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| しょんばい | しょっぱい。 | けさのおつけはちーとしょんぱいなー | 今朝のみそ汁は少ししょっぱいねえ |
| じるい | やわらかい。 | 道ガじるいで気をつけな | 道がぬかっているから気をつけな |
| ずない(1) | 強い。丈夫だ。 | としょーとってもずねーなー | 歳を取っても丈夫だなあ |
| ずない(2) | 気が強い。 | うちのこぞーはずなくてしょんねー | うちの息子は気が強くてしょうがない |
| ずない(3) | 賢い。 | ありゃーずない子だ | あれは頭のいい子だ |
| せせくる | いじる。もてあそぶ。 | あんまりせせくると傷が腫れるぞ | あんまりいじくると傷が腫れるぞ |
| そらーつかう | とぼける。知らないふりをする。 | そらーつかったって顔に出てるぞ | とぼけたって顔に出ているぞ |
| ぞんグりする | ぞっとする。 | そんなはなしょー聞きゃーぞんグりするらよ | そんな話を聞けばぞっとするだろうよ |
静岡県の方言 一覧表(タ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| たこる | サボる。 | 部活たこってどけー行っただ | 部活サボってどこへ行ったんだ |
| ちいっと | 少し。 | けさはちいっとばかさぶいなー | けさは少しばかり寒いなあ |
| ちみくる | つねる。 | えらいきつくちみくられたもんでちーしんだ | 大変きつくつねられたので内出血した |
| ちょーらかす | ばかにする。 | ヒトーをちょーらかすなーわりーこんだぞ | 人をばかにするのは悪いことだぞ |
| ちんぶりかく | ふくれっ面をする。すねる。 | ちーとばか怒られたぐりゃーでちんぶりかくじゃねー | 少しばかり怒られたぐらいでふくれっ面するんではない |
| とじかる | 絡まる。 | 糸ガとじかっちゃって凧ガあがらねー | 糸が絡まっちゃって凧があがらない |
| とぶ | 走る。駆ける。 | そんなにとぶとあぶにゃーぞ | そんなに駆けると危ないよ |
静岡県の方言 一覧表(ナ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
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なりき
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不作法。粗雑。
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あのやの衆はなりきだ | あの家の人たちは不作法だ |
| なりきな仕事はすんなよ | 粗雑な仕事はするなよ | ||
| にーしー | 新しい。 | にーしー服きてったらいいじゃー | 新しい服を着ていったらいいではないか |
| ねグさる | 〈食べ物が〉腐る。 | ねグさるといかんで冷蔵庫にちゃっとしまいな | 腐るといけないから冷蔵庫に早くしまいなさい |
静岡県の方言 一覧表(ハ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| はだって | わざと。故意に。 | あのこははだっておひんぶっとる | あの娘はわざと上品ぶっている |
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ばった
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〈場所を〉確保した。押さえた。
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この席ばった | この席押さえた |
| いーとこばっといていてくりょー | いい場所を取っておいてくれ | ||
| ひどろしー | まぶしい。 | おてんとーさんがひどろしー | お天道さんがまぶしい ※ 「ひずるしー」とも。 |
| ぶしょったい | 不潔だ。だらしない。 | そんなぶしょってーなりーしてどけーいくだ | そんなだらしないだらしない格好してどこへ行くんだ |
| ぶそくる | 不機嫌になる。 | じゃんけんにまけたからってぶそくるなよ | じゃんけんに負けたからって不機嫌になるなよ |
静岡県の方言 一覧表(マ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| まめったい(1) | よく働く。 | 隣の嫁はまめったいね | 隣の嫁はよく働くね |
| まめったい(2) | 達者だ。 | あのおじーさんまめったいね | あのおじいさんは達者だね |
| みガましー(1) | よく働くこと。 | 隣のわけーしはみんなみガましー | 隣の若い者はみんな働き者だ |
| みガましー(2) | ちゃんとした。まともな。 | ぶしょったいでまっとみガましーなりーをしなよ | 見苦しいからもっとちゃんとした格好をしなよ |
| みこ | ひいき。お気に入り。 | あの子先生にみこんいー | あの子は先生にひいきされている |
| みずらい | 見苦しい。 | そんなみずれーなりーしんな | そんな見苦しい恰好をするな |
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みるい
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若い。未熟だ。
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お茶をみるいいとにつむ | お茶を柔らかいうちに摘む |
| あのひたーまーだみるいなー | あの人はまだ未熟だなあ | ||
| もぞぐったい | 痛がゆい。くすぐったい。 | 麦ののギガ背中にへーってもぞグってーや | 麦の穂先が背中に入ってくすぐったいや |
静岡県の方言 一覧表(ヤ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| やくたいもない | 役に立たない。くだらない。 | そんなやくたいもないことしんな | そんなろくでもないことをするな |
| やっきりする | 腹が立つ。 | そんなこと言われりゃー誰だってやっきりするさ | そんなことを言われれば誰だって腹が立つさ |
| やぶせったい | うっとうしい。 | ぶとガたんといて、やぶせったくてしょんない | ブヨがたくさんいて、うっとうしくてしょうがない |
| ゆるせい | のんびりできる。気楽な。 | まゴたちん来ててゆるせくないねー |
孫たちが来ていてのんびりできないねえ ※ 普通は否定の形で使うことが多い。
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| よせる | 〈洗濯物を〉取り込む。 | あめん降ってきたで早くよせてくんにゃーか | 雨が降ってきたから洗濯物を早く取り込んでくれないか |
静岡県の方言 一覧表(ラ行)
| 方言 | 意味 | 例文 | 例文の意味 |
| らっちもねー | くだらない。 | まったくらっちもねーはなしだ | 全くくだらない話だ |
| らんゴく | 乱雑。 | 部屋をいつもらんゴくにしてる | 部屋をいつも散らかしている |


